北陸電力株式会社
代表取締役社長 新木 富士雄 殿
2004年9月10日
日本共産党石川県委員会 秋元 邦宏
日本共産党石川県会議員
尾西 洋子
関西電力美浜原発3号機事故の教訓を生かし、志賀原発の安全確保とプルサーマル計画の中止を求める申し入れ
8月9日、関西電力美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)タービン建屋内で高温高圧の2次冷却水の蒸気噴出事故で、作業員4名死亡、7名が重軽傷を負う大惨事が起こりました。日本の原子力史上最多の死傷者を出す痛ましい事故でした。今回放射能漏れは確認されていないものの、関西電力は老朽化などで「多重防護」のシステムが働かなければ、炉心溶融につながる重大な危険性を認めています。
関西電力は、蒸気噴出事故をおこした美浜原発3号機の「オリフィス」下流部配管を、運転開始以来一度も検査していなく、内部圧に耐えられない「減肉」の危険性を承知しながら、ただちに対応していませんでした。1998年前後から配管寿命を、国がさだめた技術基準の「ただし書き」を誤って適用し、内部圧力に耐える力を独自に長く評価していたことも認めました。今年7月には、関西電力大飯原発1号機で2次冷却系配管の厚さが基準を下回っていたにもかかわらず、国への報告を怠っていました。このような重大事実は数々判明しています。徹底した安全対策の放置や、極めてずさんな労働衛生管理と人命軽視、コスト削減・「採算重視型の原発運転」による人的責任が明白な大事故です。
原子力安全・保安院は美浜原発3号機の蒸気噴出事故をめぐり、過去の報告対象事案の中で、類似する配管内壁の「減肉トラブル」が原子力発電所で9件、火力発電所で8件あったことや、沸騰水型原発でも同様の「減肉」が引き金になった配管損傷が発生したことなどについて公表しています。今回の関西電力美浜3号機原発と、その後の原子力・保安院が公表した事実が物語っているように、明らかに「原発の安全は未確立」です。これまで国と電力会社が主張してきた、「原発安全論」は全くの論拠を失い根本から崩壊しています。
日本共産党は @技術上過酷事故を回避できない A「トイレなきマンション」という軽水炉の危険 B地質上ー世界有数の地震国での立地の危険 C地理上ー人口密集地への隣接・集中立地の危険 D国際安全基準を無視したずさんな「安全規制」行政のもとでの危険など、原発の避けがたい潜在的危険性を指摘してきました。ただちに現地入りした日本共産党国会議員調査団は、その危険性が現実のものとなったことを、政府申し入れの中で強調しました。8月20日、尾西洋子県会議員は福井県美浜町と関西電力美浜発電所を視察し、現地担当者から事故時の状況と美浜町民の要望等の説明をうけました。美浜町では、被災者への支援、事故原因の徹底究明と抜本的な安全対策などを関西電力と国・県に求め、原発との共生・共存を願ってきた町民の要望実現と不安解消に全力を尽くしているとのことでした。
電力各社は、「日本の原発安全論」の論拠にとらわれてきた誤りを認め、関西電力美浜原発3号機事故の教訓をひきだし、原発依存型から安全な電力需給への転換を求めます。北陸電力は、志賀原発1号機や、火力発電所の配管内部の「減肉」状況を自主点検・公表しましたが、このことをもって志賀原発の安全性が立証されたとは言えません。志賀原発の安全を確保し、県民の命と住民の安全を守るため、左記の取り組みを緊急に講ずることを強く要請します。
記
1、原発安全基準と管理指針、作業マニュアル、緊急時通報・連絡体制などを全面的に見直し、志賀原発1号機の安全総点 検を実施すること。
2、志賀原発プルトニウム循環方式(プルサーマル計画)の導入を中止すること。
3、志賀原発2号機は建設・稼働を凍結し、原発依存型の電力需給を計画的に縮小すること。
4、原発の危険から住民と労働者の安全を確保するため、「定期点検期間」の短縮ならびに「定期点検準備」を名目にして、運転中の原発建屋に多数の労働者を入れ作業をさせないこと。
5、北陸電力は、元請け・下請け労働者の作業システム、安全教育、緊急時の対応など労働安全衛生に関わる管理実態を県民に公表すること。
以上