石川県知事 谷本 正憲 殿
深刻な不況はいっこうに先が見えず、雇用問題・中小企業、農業の危機はますますつよまっています。介護保険での新たな負担、医療保険の改悪・年金改悪は県民の暮らしを直撃しています。子どもと教育、農林漁業と食料、環境問題などどれもが先延ばしにはできない重要課題です。
こうしたなかで編成される2001年度県予算は、新しい世紀の最初の県予算であるというだけでなく、政治経済あらゆる分野でのゆきづまりを打開し、県民の願いを実現するという意味でも大きく注目されています。
いま全国の自治体で、住民奉仕のための機関という本来の役割をきりすてて大型開発偏重による「開発会社化」をすすめ、財政危機がいっそう深刻化する事態がすすんで大きな問題になっています。石川県も例外ではありません。いまこそ「住民こそ主人公」という地方自治の本旨にかえって、税金の使い方を県民本位にあらため、県民の願いにこたえた施策の展開へ、全力をあげるよう、つよく要望するものです。こうした立場から、県予算のめざすべき方向と2001年度予算のなかで実現していただきたい重点要望を中心に、以下要望します。
記
1)福祉、暮らしに予算を重点的に配分する
(1) 介護保険制度について、介護保険料・利用料減免への県補助制度を創設すること。
(2) 特養老人ホームの増設をはかること。地域生活援助事業として身体障害者のグループホームに補助を行なうこと。
(3) 乳幼児医療費減免制度の抜本的拡充をはかること。1000円の足きりをやめ、入院・通院とも適用年齢の大幅な引きげをはかること。
(4) 市町村の学童保育事業に対し、県としての補助制度を確立すること。
(5) 「3年ごとに見直す」としている県の公共料金の値上げは行なわないこと。
(6) 県水道料の引き下げや高校授業料の減免制度の拡充をはかること。
(7) 雪害被害について、被害農家への支援対策と除排雪計画・体制の抜本的見直しを
(8) 能登の地域住民の交通を確保する。
・ 西日本ジェイアールバスの奥能登22路線の撤退問題で、JR側に社会的責任を果たすようきびしく迫るとともに、早急に県と関係町村の協議会を立ち上げ、生活の足を守るために万全を尽くすこと。
・ 能登有料道路の早期無料化をはかること。
(9) 北陸新幹線について
・ 莫大な地元負担を前提とせず、国の段階で総合交通特別会計を創設するなど、国の責任で整備するよう、つよく働きかけること。
・ 在来線の廃止を前提とせず、JRによる経営の維持を求めること。
2)雇用拡大をはかり、営業を応援する景気対策をつよめる
(1) 公共事業を福祉・教育関連重視にきりかえ、県が率先して中小業者への仕事を増やすこと。とくに公営住宅や特別養護老人ホーム、学校改築事業などを積極的に推進すること。
(2) 県として雇用創出につとめること。とくに緊急地域雇用特別交付金について、予算規模の増額や6ヶ月という雇用期間の規制をはずすことなど、制度の改善を国に求めるとともに、さらに雇用・就業効果があがる事業を拡大すること。
(3) 県の繊維産業を守るため、国にセーフガード(緊急輸入制限)の発動を求めること。また、業界がつよく求めている電気料負担の軽減について対策を講じること。
(4) 野菜など激増する輸入農産物に対して、国に一刻も早いセーフガード(緊急輸入制限)の発動を求めること。学校給食の野菜は石川県産のものが使われるよう、県としても努力すること。
(5) これ以上の減反のおしつけをやめるとともに、コメの下限価格の設定を国につよく迫ること。「中山間農地への直接支払い」制度の要件緩和を国に求めるとともに、実情に即したものへ県単独制度の創設を行なうこと。
(6) 農業後継者への就農支援制度を確立すること。
(7) 伝統産業の深刻な危機に対して、独自の「伝統産業振興条例」を制定し、必要な実態調査と積極的な支援策の具体化をはかること。また、官公需のなかで積極的な利活用をはかること。
(8) 中小企業安定化特別保証制度の期限延長を国に求めること。
(9) 大型店の進出に対して、実効ある規制措置を講ずるとともに、住民要求にこたえた魅力ある地域商店街づくりへ、積極的な支援をはかること。
(10)くらしと営業をいっそう困難に陥れる消費税増税の動きについて、反対の態度表明を行なうこと。
3)「学力の危機」など教育のたてなおしに県民の知恵と力をあつめる
(1)30人学級、少人数学級の制度化を国に求めるとともに、とりあえず県独自で、小学校低学年(1、2年生)と中学校3年生を30人学級にするため、ただちに必要な教職員の増員をはかること。
(2)積極的な意義が認められている図書館司書の配置を促進すること。
(3)学校のトイレ改修やPCB蛍光灯の切り替えの促進をはかること。
(4)県民の要望のつよい県立養護学校の新設をはかること。
4)21世紀にふさわしい環境行政を推進する
(1) 環境を破壊し、歴史的文化遺産をこわす辰巳ダム建設はただちに中止すること。
(2) 白山トンネル計画は中止すること。白山トンネル調査の全容公表を。
(3) 原発推進行政からの転換をはかり、再生可能エネルギーの開発を促進すること。
・ 新型の超大型炉(ABWR方式)による志賀原発2号機建設はただちに中止すること。
・ 周辺自治体からも慎重論が広がっている珠洲原発計画については白紙撤回すること。
・ 志賀原発でのプルサーマル計画についてはきっぱり反対を表明すること。
・ 県の「原子力防災計画」を、県全域を対象とした、事故の際に実際に役立つ「緊急時対策」として改善すること。
(4) ダイオキシン問題―分別収集の徹底とリサイクルセンターの設置などを促進すること。とくに塩化ビニール製品の製造抑制と関連産業廃棄物の業界の責任による回収を徹底させること。
5)無駄な公共投資にメスをいれ、財政再建の目標と見通しを明確にする
(1) 破たんが明確なサイエンスパーク事業を中止し、これ以上の浪費的な財政支出を止めること。
(2) 不況と深刻な財政状況のおり、豪華県庁舎建設については凍結すること。
(3) 道路建設計画などについてもあらためて必要性・緊急性について個々に再検討し、住民生活に密着した道路整備に重点をおくとともに、無駄な大規模幹線道路計画については見直しをはかること。
(4) 無駄な大型公共投資にメスを入れて投資的経費の大幅な縮減をはかりつつ、借金が1兆円の規模に迫った県財政を再建の軌道に乗せる方向性を明確にすること。
6)平和と民主主義をまもり、「県民が主役」の住民自治をそだてる
(1) 市町村の合併は、関係市町村と住民の意志の尊重が大前提であり、上からの合併おしつけや誘導はやらないこと。
(2) 男女共同参画基本計画にもとづく県の条例制定に際し、女性の地位向上と男女平等に役立つ実効あるものにすること
・ 子育てしながら働きつづけられる条件づくりをすすめること。保育体制をはじめ子育て支援の充実とあわせ、男女がともに子育てに責任をもてるよう、労働条件の改善をはかること。
・ 女性への暴力に対応する対策を具体化すること。
・ 各種審議会への女性の積極的な登用をはかること
・条例の制定にあたって、検討段階から経過を公表し、県民、女性の声を広くとりいれるようにすること。
(3) 非核・平和の県政を推進すること
・ 「非核石川県宣言」にもとづき、非核行政の積極的な推進をはかること。
・ 金沢港、七尾港などの軍事利用に反対すること。
・ 戦争法(新ガイドライン関連法)の具体化をすすめる有事法制の動きに反対するとともに、県内における戦争法の具体化に協力しないこと。
以上
○大型公共投資優先から県民の暮らし・営業中心の予算に
−2001年度石川県予算についての重点要望 2001年2月8日