○大型開発優先でなく、暮らしと営業の応援を
    ―2002年度石川県予算についての重点要望  
2002年1月28日
  小泉内閣もとで、経済状況はいっそう悪化し、県内でも石川銀行の破たんもあいまって、中小業者の営業の危機と倒産、雇用・失業問題が深刻さをまし、県民の暮らしと営業の困難はますます大変な事態を迎えています。所得の減少に加えて、介護保険での新たな負担、医療保険の改悪、年金改悪は県民の暮らしを直撃し、不安が広がっています。
 こうしたときこそ、県政が、住民の生命と健康、安全を守るという地方自治体本来の役割に立ち返って、全力で奮闘すべきです。いま全国の自治体で、住民奉仕のための機関という本来の役割を投げ捨てて大型開発偏重による「開発会社化」をおしすすめ、財政危機がいっそう深刻化して、暮らしや福祉の予算をきりつめるという、まったく「逆立ち」した事態がすすんで大きな問題になっています。石川県も例外ではありません。いまこそ「住民こそ主人公」という地方自治の本旨にかえって、税金の使い方を県民本位にあらため、県民の暮らしと営業を応援することを中心に、県民の願いにこたえた施策の展開へ全力をあげるようつよく要望するものです。こうした立場から、県予算のめざすべき方向と2002年度県予算のなかでぜひ実現していただきたい重点要望を中心に、以下要望します。

                              記

1)雇用拡大をはかり、営業を応援する景気対策をつよめる

(1) 石川銀行の破たんにともなう中小企業の新たな倒産・廃業を生まないよう、当座の資金繰りや「受け皿」金融機関への融資の引き継ぎが迅速・適切に行われるよう万全を期すこと。
(2) リストラ規制・「サービス残業」根絶に積極的な対応をはかること
・ 県内に事業所をもつNTTやコマツ、JR、東芝、ソニーなど大企業の社会的責任を放棄したリストラ・合理化にきびしく抗議し、計画の中止を求めるとともに、大企業職場におけるサービス残業の実態を県として調査し、是正をはかること。
・ リストラの野放しを許さず、ヨーロッパ並みの解雇規制をはかるための立法措置をつよく政府に求めるとともに、リストラや地域からの撤退を計画する企業に対して、県への事前届け出と十分な協議、県および地元自治体、関係者の合意を得ることを県独自にルール化すること。
・ 県内の事業所にたいして、厚生労働省のサービス残業「撤廃」通達の周知徹底をはかるとともに、サービス残業の実態を調査して是正のための指導をつよめること。また、県職員のサービス残業の速やかな解消へ必要な対策を講じること。
(3) 公共事業を大型開発から福祉・教育関連重視にきりかえ、県が率先して中小業者への仕事を増やすこと。とくに公営住宅や特別養護老人ホーム、学校改築事業などを積極的に推進すること。
(4) 県として雇用創出につとめること。
・ 緊急地域雇用特別交付金については、市町村への配分を厚くするとともに、予算規模の増額や「原則6ヶ月未満(事業内容によっては1回の更新可)」となっている雇用期間を「最低1年」と延ばすなど、制度の改善を国に求めるとともに、さらに雇用・就業効果があがる事業を拡大すること。
・ 福島県などは県独自に10億円の緊急地域雇用対策基金を設けているが、県としても独自の対応を検討すること。
・ 30人学級促進を雇用対策の面からも真剣な検討をはじめるとともに、保育、介護、医療、消防などの分野での雇用増に努めること。
・ 高校・大学の新卒者の採用を各事業所につよく要請するとともに、青年や失業者を雇用した中小企業に就職奨励の助成金制度の創設を検討すること。
・ 県にリストラ・雇用問題の相談窓口をもうけ、あらゆる相談に応じる体制をとること。
(5) 県の繊維産業を守るため、国にセーフガード(緊急輸入制限)の発動を求めること。業界がつよく求めている電気料負担の軽減について対策を講じること。
(6) 伝統産業の深刻な危機に対して、独自の「伝統産業振興条例」を制定し、必要な実態調査と積極的な支援策の具体化をはかること。また、官公需のなかで積極的な利活用をはかること。大型店の進出に対して、実効ある規制措置を講ずるとともに、住民要求にこたえた魅力ある地域商店街づくりへ、積極的な支援をはかること。
(7) 農業を県の中心産業として育て発展させる。
・ 農業予算の重点を土地改良などの土木事業から経営の直接支援に移し、価格補償対策をつよめること。また、農業後継者への就農支援制度を確立すること。
・ 野菜など激増する輸入農産物に対して、国に一刻も早いセーフガード(緊急輸入制限)の本格発動を求めること。学校給食の野菜は石川県産のものが使われるよう、県としても努力すること。
・ これ以上の減反のおしつけをやめるとともに、コメを自由化の対象から除外することやコメの下限価格の設定を国につよく迫ること。「中山間農地への直接支払い」制度の要件緩和を国に求めるとともに、実情に即したものへ県単独制度の創設を行なうこと。また、米飯給食助成金の上乗せを行うこと。
・ 金沢食肉流通センターの改築にあたっては、保管冷蔵施設、解体施設、体および危険部位の焼却など施設整備に万全を期すため、国に対して補助を求めるとともに、県として必要な対応をとること。また、肉牛生産農家や販売店、食肉流通、焼肉業者など被害を受けている業者の実態を把握し、必要な援助の対策を講じること。
(8)県民のくらしと営業をいっそう困難に陥れる消費税増税の動きについて、反対の態度表明を行なうこと。

2)福祉、暮らしに予算を重点的に配分する

(1) 小泉内閣は、健保本人の医療費3割負担や高齢者医療費助成制度の適用年齢の75歳へのくりのべなど、医療制度の大改悪をすすめようとしている。県民の生命と健康を根底から脅かす医療制度大改悪に、県として明確に反対を表明するとともに、県民の健康を守るために、県独自のよりいっそう積極的なとりくみを行なうこと。
(2) 介護保険制度について、低所得者に対する減免を国の責任で行うよう要求するとともに、介護保険料・利用料減免へ県としての補助制度を創設すること。
(3) 特別養護老人ホームの入所待機者は約3500人に広がっている。施設の積極的な増設をはかること。地域生活援助事業として身体障害者のグループホームに補助を行なうこと。
(4) 県が実施している69歳老人医療費助成制度について、助成年齢の引き下げに踏み出すこと。
(5) 県は今年10月からの乳幼児医療費減免制度の改善を打ち出したが、従来からの1千円自己負担に加えて所得制限も設けるなど、非常に消極的な姿勢である。自己負担をやめ、償還払い制度を現物支給に改めるとともに、所得制限を撤廃し、入院・通院とも就学前までの無料化にただちに踏み出すこと。
(6) 国民健康保険税を払いたくても払えない加入者から保険証をとりあげ、資格証明書を発行する自治体が県内でもふえてきている。「保険証とりあげは悪質滞納者に限る」とした政府見解からも逸脱した異常な事態に対し、ただちに是正をはかるよう指導すること。国保財政の危機的な事態を打開するために、国に対して引き下げた負担率を元に戻すよう働きかけるとともに、市町村国保への県補助金の拡充を図ること。
(7) ガン検診に対する県の補助制度をつくること。アレルギー対策を強化すること。母子家庭対象の療養見舞金を拡充し、母子(父子)家庭医療給付制度を実施すること。
(8) 放課後児童対策事業について、指導員の人件費補助を継続して働けるように経験年数を含めたものとすることなど、充実強化をはかること。
(9) 「2年ごとに見直す」としている県の公共料金の値上げは、抑制をはかること。
(10)県水給水事業は、過去の過大に見積もられた計画にもとづく事業の結果として、県民があまりに高い水道料金の負担を強いられ、深刻な矛盾を日々広げている。県水道料の受水単価を引き下げるとともに、責任水量の大幅な下方修正もしくは廃止して、県民の水道料負担の軽減をはかること。
(11)金沢市が県と交わしている犀川ダムの工業用水利権について。金沢市は金沢港周辺の工業団地計画に必要だとして契約したが、35年間、一滴も使用してこなかった上にその利用計画もない。にもかかわらず、県は平成11年4月に更新許可を行ったが、これは法ならびに通達に違反しており、更新手続きをやり直し、水利権を他の目的に変更するか、返上するよう金沢市を指導すること。

3)「学力の危機」など教育のたてなおしに県民の知恵と力をあつめる

(1)30人学級、少人数学級の制度化を国に求めるとともに、まず県独自で、小学校低学年(1、2年生)と中学校3年生を30人学級にするため、必要な教職員の増員をはかること。
(2)積極的な意義が認められている図書館司書の配置を促進すること。
(3)明和養護学校を分離し、金沢北部、または河北郡に県立養護学校を増設すること。
(4)民間のフリースクールなどへの財政支援を行うこと。
(5)アレルギー対策を教育の分野でも強化すること。
(6)県立体育館の移転新築を早期にすすめること。
(7) 公民館建設、コミュニティー施設整備の県費補助制度を拡充すること。

4)21世紀にふさわしい環境行政を推進する

(1) 環境を破壊し、歴史的文化遺産をこわす辰巳ダム建設はただちに中止すること。辰巳用水の保存と景観を守ること。
(2) 白山トンネル計画は中止すること。白山トンネル調査の全容を公表すること。
(3) 原発推進行政からの転換をはかり、再生可能エネルギーの開発を促進すること。
・ 新型の超大型炉(ABWR方式)による志賀原発2号機建設はただちに中止すること。
・ 周辺自治体からも慎重論が広がっている珠洲原発計画については白紙撤回すること。
・ 志賀原発でのプルサーマル計画についてはきっぱり反対を表明すること。
・ 県の「原子力防災計画」を、県全域を対象とした、事故の際に実際に役立つ「緊急時対策」として改善すること。
(4) ダイオキシン問題―分別収集の徹底とリサイクルセンター設置などを促進すること。とくに塩化ビニール製品の製造抑制と関連産業廃棄物の業界の責任による回収を徹底させること。
(5) 民間産業廃棄物埋め立て場の建設計画については、環境保全、住民合意の立場から公的関与をはかること。

5)公共事業のムダと浪費をなくし、県民が主人公の街づくり、県土づくりを

(1) 破たんが明確なサイエンスパーク事業を中止し、これ以上の浪費的財政支出を止めること。
(2) 建設中の能登空港は、そもそも見通しが立っていなかった上に、昨年の米国でのテロ事件以降、航空機の利用率がいっそう落ち込み、とりまく環境はいっそう深刻な状況となっている。科学的で客観的な需要予測にたって、全体計画を抜本的に見直すこと。
(3) 道路計画について、あらためて必要性・緊急性について個々に再検討し、幹線道路建設から住民生活に密着した道路整備に重点を移すとともに、無駄な大規模幹線道路計画については見直しをはかること。
(4) 能登の地域住民の交通を確保する。
・ 西日本ジェイアールバスの奥能登22路線の撤退問題では、住民の生活の足を守るために県として万全を尽くすこと。
・ 能登有料道路の早期無料化をはかること。
(5)北陸新幹線について
・ 莫大な地元負担を前提とせず、国の段階で総合交通特別会計を創設するなど、国の責任で整備するよう、つよく働きかけること。
・ 在来線の廃止を前提とせず、JRによる経営の維持を求めること。
(6)金沢市を縦断する「森本・富樫断層帯」がこの先30年以内に最大5%の確立で阪神大震災級の大地震を引き起こす可能性があるとの調査結果が発表された。県内の活断層の調査をさらにすすめるとともに、観測・予知体制の抜本的強化をはかり、総合的な地震防災対策の見直しを図り、住民合意で地震につよい街づくりの促進を図る。
(7)市町村でとりくみが広がっているコミュニティ―バスの運行維持費について、県の補助制度を確立すること。
(8)兼六園の無料開放を拡大すること。

6)財政再建をはかり、健全化への軌道にのせる

(1) 国の地方交付税削減の動きにキッパリ反対し、拡充を求める世論づくりを図ること。
(2) 無駄で浪費的な大型公共事業にメスを入れて投資的経費の大幅な縮減をはかりつつ、借金が1兆円の規模に迫った県財政を再建の軌道に乗せる方向性を明確にすること。

7)平和と民主主義をまもり、「県民が主役」の住民自治をそだてる

(1)大型開発の推進、財政の効率化や行政水準の切り下げなどにねらいをおいた市町村合併の誘導をやめ、県としては合併についての功罪両面の情報を適切に提供しつつ、関係市町村と住民の意志を最大限に尊重すること。
(2)男女共同参画基本計画にもとづく県条例をふまえ、女性の地位向上と男女平等の実現へ、具体化のための行動計画の策定を行うこと。計画の策定にあたては、広く各界、各分野の女性の意見を反映させること。
・ 子育てしながら働きつづけられる条件づくりをすすめること。保育体制をはじめ子育て支援の充実とあわせ、男女がともに子育てに責任をもてるよう、労働条件の改善をはかること。そのために、県独自で職場における差別の実態、母性保護、パート・フリーアルバイターの実態調査をすすめ、また相談窓口を設けること。
・ 県庁舎内での「女性のお茶汲み」問題を検討し、改善をはかること。
・ 女性への暴力に対応する対策を具体化すること。また、各種審議会への女性の積極的な登用をはかること。
(3)非核・平和の県政を推進すること
・ 「大東亜聖戦大碑」の設置許可を取り消し、設置者に対して碑の撤去を求めること。
・ 「非核石川県宣言」にもとづき、非核行政の積極的な推進をはかること。
・ 金沢港、七尾港などの軍事利用に反対すること。
・ 戦争法(新ガイドライン関連法)の具体化をすすめる有事法制の動きに反対するとともに、県内における戦争法の具体化に協力しないこと。

8)以下の県民要求について積極的に対応すること

(1)国道8号線における立体交差化の推進(金沢駅港線交差部、堀川粟崎線交差部)
(2)国道157号線(犀川大橋から野町3丁目間)の整備促進
(3)国道159号線の木津から松浜間の歩道の拡幅整備を促進すること。
(4)県道諸江向粟崎線の湊3丁目、向粟崎地内の整備促進
(5)県道金沢・井波線の荒山地内の整備促進
(6)県道野田・専光寺線の自衛隊地内の道路拡幅整備促進
(7)県道別所・野田線の野田地区道路拡幅と歩道の整備促進
(8)県道のボトルネックの解消
・鳴和三日市線の中島大橋と御影橋、東山内灘線の乙丸跨線橋、堀川粟崎線の国道8号線南新保交差点周辺
(9)大桑橋の架け替えの促進と取り付け道路の改修
(10)犀川(若宮大橋から金石港まで)、浅野川(昌永町地内での護岸改修は景観を大切にしてすすめること)の河川改修。
(11)高橋川(大額から鶴来)、碇川(大額から額谷までの未改修区域を含め改修促進)、安原川(みどり、安原、上荒屋地内)、森下川(北陸自動車道から薬師橋まで)の河川改修の促進。伏見川上流の河川改修を行うこと。
(12)改正された河川法にもとづく犀川、浅野川の整備基本計画を早急に作成し、公表すること。
(13)河北潟周辺の浸水防除対策の促進
(14)辰口橋の工事の促進
(15)川北大橋の無料化を急ぐこそ。それまでの間は、通勤のための利用者に定期券を発行するなど、検討をすすめること。
(16)辰口町の県営住宅を建設すること。
(17)松任市街地の浸水被害の抜本対策として倉部川の早期改修工事をはかること。
(18)倉部川の河口が閉鎖しないよう研究をすすめ、抜本的対策を講ずること。導流堤の整備や飛砂防止の対策をはかること。

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